第1回 PRC-Tools の概要
PRC-Tools は、PalmOS 用のソフトウェアを開発するためのツール群です。PRC-Tools
には GNU プロジェクトで開発されている C/C+++ コンパイラ GCC、gdb 等を PalmOS 用に変更したものが含まれています。
PRC-Tools はフリーソフトで、PRC-Tools Project により開発が進められています。最新バージョンである 2.0 は Palm からサポートされ、Windows 用、Linux 用のバイナリおよびソースコードが開発者向けのページからダウンロードできるようになっています。
PRC-Tools を使って効率よく開発を行うためには、他に PilRC、pilot-link、gmake、POSE と呼ばれるツールが必要となります。これらのツールと PRCD-Tools との関係を以下に説明します。

- gcc:
- C/C++ のコンパイラです。PalmOS 用のコードを生成するクロスコンパイラです。
- build-prc:
- gcc により生成されたコード、PilRC により生成されたデータ (リソースと呼びます) を集めて、ひとつのリソース・データベースを生成するためのツールです。リソース・データベースの生成方法は、定義ファイル (
*.def ) から読み込みます。gcc により生成されたコードは PilRC によって自動的にコード・リソースに変換されます。
- gdb:
- デバッガです。POSE と通信しながら、ソースコードのレベルでデバッグすることができます。
- PilRC:
- フォーム等のリソースの定義を記述したファイル (
*.rcp ) から個々のバイナリ形式のリソース・ファイルを生成するリソース・コンパイラです。
- POSE:
- Palm デバイスのエミュレータです。X Window System で動作します。作成したプログラムの動作確認を行うことができます。また gdb と連携して、ソースコードのレベルでのデバッグに利用できます。
- pilot-link:
- build-prc によって生成されたリソース・データベースやその他のデータベースを実機に転送するために使用します。現在はシリアルポートのみをサポートしています。
- gmake:
Makefile に書かれた規則にしたがって、gcc 等による処理を制御するためのツールです。
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